会話できない寂しさの続きです。
前回は車や電車、自転車など乗り物に乗っている時のことでした。
➡ ナンチョーな私の気まぐれ日記(32)移動中の会話
今回は暗くて顔が見えないために、悲しいなあと思うことを綴ります。
■就寝前のおしゃべり
昔、友人と旅行に行ったり、互いの家に泊まったりすると、夜、寝落ちするまで暗闇でおしゃべりすることがよくありました。
夜の雰囲気は、普段なら話をしないような心の内を語ったり、昼間のおしゃべりとは違った独特の会話が生まれたりするので、私は夜のこの時間も好きでした。
軽度から発症した進行性難聴なので、初期の頃は普通にお喋りしていました。
難聴が悪化して中等度になった時も、補聴器無しでもギリギリ聴こえていた時は まだお喋りしていました。
補聴器無しでは音量が足りなくなってからは、さすがに夜のお喋りは厳しくなりました。夜寝る時は補聴器を外すからです。
音量の低下とともに語音明瞭度も著しく下がっていった私は、その内、顔を見ないと会話不能になりました。
こうなると、喋りながら寝落ちという幸せはどう頑張っても味わえません。
幸いといってはおかしいですが、若い頃と違って、今は友人もさっさと寝たい人が増えていて「おやすみ」と素っ気ないことが増えたので、今はそれに救われています。
だけど、急にそうなったわけではないので、夜の時間の会話に参加できない寂しさはたくさん味わってきました。
■夜空を見ながら話がしたい
顔が見えないから困る・・・これは就寝前の暗闇に限ったことではありません。
夜に出歩いている時も思います。
夜って神秘的で、昼間とは違った会話ができます。
夜の暗闇や星明りの下で、2人きりで話す時は、静かに話をします。
しんみりした話をすることも多いです。
この暗くなった時に話す内容は、私はとても好きで、昔はよく人の話を聞いていました。
意外な心の内を聞くこともあれば、何気ない話を星空を見上げながら話すのも好きでした。
顔が見えないから話せることって結構あるんですよね。
恋人同士で静かな時間をロマンチックに過ごすこともありました。
昼間なら話さないようなことを静かに語ってくれる時間は至福のひとときですが、難聴になると聞き取れない問題が出てきます。
しんみり語っている時に、聞き返せば雰囲気ぶち壊しで 相手は話すのを止めてしまいます。
話をしている方は、自分の話に酔うこともあり、そんな時に聞き返されたり、話を中断されたりすると、もう話す気はなくなります。
きちんと聞いてくれてなかったのだと思って、つまらない話をしたと話を変えてしまう人もいます。
そんな時、めちゃくちゃ悲しい気持ちになります。
でも仕方ないんですよね。
難聴が悪化すると、相手の顔を見ずに話を聞き取るのは至難の業になりますから、静かに声だけで話を聞くということができなくなるんですよね。
何気ない会話も、健聴ならば 相手の顔を凝視することなく、また言葉の推測に脳をフル回転させる必要もなく、入ってきた声を心地よく聴くことができます。
人の顔を見ずに話すひととき。
このひとときがあるのは、なんと贅沢なことだろうと思います。
このひとときを永遠に失ったことはやっぱり悲しいです。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回も引き続き、会話の話をします。
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ナンチョーな私の気まぐれ日記(32)移動中の会話
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