[ひとりごと12]
今、衆議院選挙で各党が消費税の減税を訴えている。
消費税は逆進性が高いので、物価高に喘ぐ庶民としては、減税はありがたい。
だけど、全廃か、食料品のみか、税率を下げるか、期限付きの減税か、この小さな論争が、選挙の票集めにしか見えないのは私だけだろうか。
私は税金よりも社会保険料の負担の方が重いと感じている。
消費税の本来の目的は社会保障なのだから、社会保険料も含めて根本から考えてくれ〜と、叫びたい気分なので、今日は消費税と社会保険料のことを書かせてもらおうと思う。
■日本の中間層は疲弊しきっている!
失われた30年と言われる期間、会社員の給与があまり上がらない中、容赦なく上がったのが社会保険料。
賃金が上がらなくても、負担だけは増えていき、手取りが減る経験は私もした。
余裕のない中間層は、働いても、働いても、苦しくなる一方だった。
消費税は逆進性が高く、低所得者ほど税は重い。
そして、社会保険料は、所得が上がるほど負担が増える仕組みだが、実際には上限が設けられており、一定額を超えると保険料は頭打ちとなる。そのため、それ以上所得が増えても負担は増えない。
その結果、高額所得者ほど実効的な保険料率は低くなり、最も重い負担を感じるのが中間層という構造になっている。
言い方を変えれば、消費税も社会保険料も、高所得者に優しいということになる。
■何のための消費税か――もう一度考え直してほしい
高い社会保険料を無理やり取りながら、「将来はどうなるか分かりません!」と、政府は平気で言う。
増税したくなったら、社会保障分野に脅しをかける。そういうことを繰り返してきた。
少子高齢化なので仕方がないと思ってしまうが、むしり取った税金を有効に活用しているかには疑問の声も多い。
消費税は、建前では全額社会保障に使うことになっている。
実態はよく分からないが、もしも本当に全額を社会保障に使っているとしたならば、今、選挙で消費税減税!と叫んでいる人達は無責任だと私は思う。
マスコミも財源については突っ込んで質問しているが、私もそこは心配だ。
消費税の本来の目的を考えれば、社会保険料は切り離しては考えられないはず。
それなのに、簡単に減税!と言われても、その分、社会保険料に跳ね返ってきたら、現役の中間層は堪ったものではないのである。
■そもそも消費税は本当に全額社会保障に使われているのか?
これはマジで知りたい。
だけど知りたくても、他の税と一緒にして振り分けるので、消費税の行方は全く分からない。
建前では全額使っていると国は言っている。
だけど、税金が余っているわけではないのに、消費税を8%にアップしたタイミングで、法人税を引き下げたりしているのを見ると、純粋に社会保障に使われているとは考えにくい。
この使途が見えない状態は大きな問題で、不信感や猜疑心しか湧いてこない。
疑っているのは、私だけではないと思う。
■社会保険料や消費税を重く感じるのは将来が不安だから
国は、消費税は「社会保障のために必要な税金」と説明する。
医療や将来の年金のための財源になっているなら、反対する理由はない。
なぜなら、国民は社会保険料の負担を少しでも軽減できるのではないかと期待するからである。
そして、年老いた時に、少しでも安心して暮らしたいとの思いもある。
ところが、消費税の税率を上げても、社会保険料は容赦なく上がり続けている。
賃金がわずかに上がっても、税金と社会保険料でそれ以上を持っていかれる。
腹が立つ。
消費税の使い道が不明だから、尚更、腹が立つ。
■消費税は社会保障専用の目的税にすべき
政府は嫌がるだろうが、消費税の使途を曖昧にしておくべきではないと思う。
何にでも使える状態(他で使っても分からない状態)は良くない。
なので、目的が社会保障ということになっているのだから、社会保障にしか使えないように他の税とは完全に切り離してほしいと思う。
社会保険料のこれ以上の負担アップは中間層にはもう無理である。
なので、消費税は正しく社会保障に使われていなければならない。
『消費税を他の税と完全に切り離して、社会保障にしか使えなくすること!』
これは減税よりも強く求めたいところである。
同時に、使途の詳細を国民に公表し、収支をはっきりさせてほしい。
消費することで、その税が社会保障に間違いなくプラスになっていることが実感できるなら、国民も納得できる。
■物価高で苦しい家計
ここで少し、庶民として愚痴らせてもらう。
今の私の収入は中間層の中でも下の方に入ると思う。すなわち、日常品の物価高に喘いでいる層である。
性格的にマメではないので、食料品の値段を1つずつチェックはしていないが、スーパーで食材を買う時、いつものように商品に手を伸ばしかけて、値札を見た途端に「ゲッ!」と思って、手を引っ込めることが増えた。
感覚的には、従来なら5,000円程度で収まった買い物が、今では8,000円以上に上がったと感じている。
近年は異常気象で野菜も高いし、円安で輸入品も高い。
この先、どうなるのかとても不安になる。
苦しんでいると、消費税への感じ方も変わった。
消費税は、導入時は3%、その後、5%→8%→10%(食品のみ8%)と上がったわけだが、私が気持ち的に目を瞑れるのは5%までで、8%以降は「税金高い!」と感じるようになった。
例えば9,500円の買い物をした場合、消費税5%ならば9,975円だが、10%なら10,450円(8% 10,260円)で桁が変わる。この差がいまだに痛いと感じるのだ。
だけど、これまではデフレで物価が上昇することがあまりなかったので、単純に「税金高いなあ」と感じるだけで済んでいた。
ところが、今は急激な物価上昇で、賃金は上がらないのに、物価だけが上がって家計を圧迫する。
すると、理不尽に見えるのが消費税。
物価高で生活が苦しくなっているのに、値上がった分だけ、支払う税金が増えているのである。
最近の私はレシートを見るたび、腹を立てている。
巻末に、家族数別と所得別の消費支出の表を参考に添付しておくが、収入が予定支出より少ない人は、生活費を削る。だけど生きるのに必要な食費は削りにくいので、食べ盛りの子供の多い家庭や、収入の低い人ほどエンゲル係数は高くなる。
例えば、5万円分の食品に対する消費税は4,000円なので支払いは54,000円。
単純に私が実感している1.5倍の上昇率を当てはめると、月5万円だった食料品が7.5万円に増え、支払う消費税は6,000円となる。
値上がりに苦しんでいる人から、2,000円も税金を増額している状態で、これはいかがなものかと思う。
食材の買い物は小まめにするため、1回の消費税は数百円程度。なので高所得者には気にならないかもしれないが、生活をギリギリで回している世帯にとっては、まさに死活問題になっているのである。
■食料品だけは消費税を恒久的にゼロにすべき!
私は消費税が使途不明なら全廃を求めるが、消費税を他の税から切り離して、完全に社会保障にのみ使い、使途が明白になるのであれば、消費税に反対ではない。
ただ、先述した通り、貧困層ほど重い税となるので、命を守るためにも食料品の消費税はゼロにすべきだと思っている。
消費税は逆進性の高さは、単純な例で分かる。
例えば、生活に必要な毎月の消費支出を一律15万円と仮定する。
消費税は全て10%と仮定すると、消費税は15,000円。
実際には所得が上がると支出も増えるが、同じ生活をしているとして税率を出すと……
○毎月の手取りが15万円 → 全収入を使い切るので10%の最高税率
○毎月の手取りが25万円 → 6%
○毎月の手取りが50万円 → 3%
○毎月の手取りが100万円 → 1.5%
上記の例で、手取りが15万円に満たない人はどうなるかというと……
命に関わらない部分から生活費を削って行くことになる。
だけど節約にも限界がある。
貯金も資産も無い人は、住む所を失うかもしれない。
餓死したり、凍え死ぬ可能性だってある。
実際に、生活に追い詰められた末に命を落とすケースも報道されている。
追い詰められた人にとっては、たかが 1円や10円の消費税が命に関わるのである。
人は食べなければ生きて行けないので、本来食料品に消費税をかけてはいけなかったと私は思う。
なので、今回の選挙で、殆どの党が形は違えど消費税の減税を掲げているので、これを機に是非とも食料品の消費税を恒久的にゼロにする方向で動いてほしいと願う。
これは税収が減るとかの問題以前に、取るところを完全に間違えているのだから、今後のためにもすぐにでも是正してほしい。
■まとめ
私の要望はいろいろあるが、強く願っているのは下記の2つ。
●消費税を社会保障専門の目的税にして、使途を国民に公表すること。
●食料品の消費税は恒久的にゼロにすること。
とにかく現状と未来が見える状態にしてほしいと切に願う。
(参考資料:日本人のエンゲル係数)
総務省の『家計調査』から消費支出の数字を抜粋して表にした。
全世代の2024年の平均消費支出は250,929円、内食料代は 69,530円で、食費が占める割合は27.7%であった。
下記は世帯人員別で見た支出額。

単純に人員に分けての平均なので、この中には低年収層から高年収層まで入り混じっているが、基本的に世帯人員が多いほど消費支出は多く、食費も増える。
平均よりも食費の割合が低いのは単身世帯のみで、2~4人は28%台、5人29.1%、6人以上になると32%と高い。
下記は年間収入別で見た支出額。

年収が高いほど消費支出は増え、食費も増える。
ここで着眼したいのは、年収982万円以上の世帯の食費の割合が24.5%なのに対し、年収172万円以下は31.1%と高いことである。
食費には家族数も関係してくるが、年収434~624万円で28%と平均よりやや高く、年収624~982万円も27.2%で平均値とあまり変わらない。
これを見ていると、今の日本は中間層のエンゲル係数も高く、生活は決して楽ではないことが分かる。
