傘の部位(パーツ)の名称と、骨の素材、生地の防水・撥水加工について

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ひとりごと

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ちょっと息抜きです。

急に傘のことが書きたくなりまして、いざ書こうと思ったら傘のパーツの名称が分からないと書きづらいことに気付いたので、傘のことを調べて簡単にまとめてみました。

■傘の部位の名称

【中棒】
傘の棒の部分。
素材はスチール、アルミニウム、木製などが多い。
【はじき】
中棒から出ているでっぱりで、上に付いているのが「上はじき」。下に付いているのが「下はじき」。
「上はじき」は傘を開いた時に傘が閉じないように留めておくもので、「下はじき」は傘を閉じた時に自然に開かないように留めておく役割をしている。
【ろくろ】
骨が集まっている中心部分を「ろくろ」と言う。親骨が集まっている所が「上ろくろ」、受骨が集まっている所を「下ろくろ」と言う。
【ダボ】
親骨と受骨のジョイント部分。親骨と受骨はハトメという小さな部品で止められている。
ダボを覆う布がついている場合、それは「ダボ布」と言う。
【露先】
傘の骨の先端部分。長傘の場合、露先はカバーに縫い付けられているので外すことが可能。
一方、折りたたみ傘は、骨の先端に穴が開いていてそこに直接縫い付けることになる。

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■傘の骨の素材
傘の部位は、大きくは「骨(フレーム)」「生地」「手元」の3つから成り立っている。
骨は「親骨」「受骨」「中棒」に分けられ、それぞれ目的に応じて異なる素材を使っている。
「親骨」「受骨」の主な素材
スチール・・・鉄にめっき加工を施したもの。鉄は強度が強いので親骨で最も多く使われている素材。重いことが欠点。
ステンレス・・・鉄にクロムを混ぜた合金で錆びにくいのが特徴。同じく重いことが欠点。
グラスファイバー[繊維強化プラスチック(FRP)]・・・プラスチックにガラス繊維を混合して固めることで 強度を高めた素材。グラスファイバーの親骨は風に煽られて曲がっても弾力性に優れているため破損しにくいことから、軽量化が求められる現在では利用が増えている。
カーボンファイバー[炭素繊維強化プラスチック(CFRP)]・・・炭素繊維を使った強化プラスチックで、軽量素材の中で最も強度が高いと言われている。但し、コストが高いため、他の素材に比べると使用している傘は少ない。
アルミニウム・・・軽さを実現するために、折りたたみ傘やミニ傘で採用されたのが素材利用の始まりと言われている。軽いが強度が弱い。

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■傘地の防水加工と撥水加工の違い
雨傘は雨から身を守る役割があるので「防水加工」が施されている。
傘の「防水加工」と「撥水加工」は何が違うのか。その違いについて調べてみた。
【防水加工】
防水とは水がしみ込むのを防ぐことで、内側に水を通さないように繊維の隙間を塞ぐことを「防水加工」と言う。
防水コーティングは傘生地の裏面に施され、主にアクリルを使うことが多く、その他 シリコンやポリウレタンなどが使われている。
「撥水加工」と違って生地に水を浸透させないためのコーティングなので、水をかけても水は水玉状にはならない。
【撥水加工】
一方、「撥水加工」は水を弾かせるために傘の表面にコーティングするもので、こちらは水が水玉状態になって傘の表面を転がり落ちていく。
サッと振るだけで水滴が落ちるので、いつまでもポタポタ雫を垂らさなくて済み 傘の利用がとても快適になる。
コーティングには主にフッ素樹脂が使われている。
このフッ素樹脂は、非常に小さいフッ素の鎖が縦に並んでおり、それが水を支えるため、水がベタッと生地につかずパラパラと水滴になって落ちる。
しかし、傘も使用している内に、開閉時の生地同士の摩擦や、傘を畳む時の手との摩擦などで、このフッ素の鎖が寝てしまい、撥水性は徐々に落ちていく。

(豆知識1:フッ素の撥水性は熱によって取り戻せる)
フッ素を使った撥水加工の傘に熱を与えると、寝てしまったフッ素の鎖が再び起き上がって、撥水力を取り戻すことができる。
熱を与える方法にはドライヤーを使う方法とアイロンを使う方法がある。
間違ってもビニールに熱は与えないこと。
また、撥水加工を施していない傘に熱を与えても撥水性は出ないので、あくまで撥水加工された傘での話である。
[ドライヤー]
1. 傘は完全に乾かしておく。
2. 傘を広げて、生地の表面にドライヤーで温風を吹きかけるのだが、ドライヤ-は生地から10cm程度離れた位置で そこから30秒ほど温風を当てる。もしくは生地から2cmほど離してゆっくりすべらすように当てても良い。ドライヤーを 近付け過ぎたり、長時間当て過ぎると生地が痛むので注意すること。
3. 摩擦量が多くて、フッ素の鎖が最も寝やすい「骨の折り目部分」や「傘の先端」「生地の端」などは、ドライヤーをゆっくり動かして念入りに温風をかけると良い。
[アイロン]
1. 傘は完全に乾かしておく。
2. 傘を広げて、裏からひとコマずつアイロンをかけていく。アイロンは中温でスチーム機能は使わない。温度が高過ぎたり、また中温であっても長く当て過ぎると生地を傷めるので注意する。

(豆知識2:市販の防水スプレーは防水ではなく撥水)
市販で売られている防水スプレーは「防水」の名称を使っているが、厳密には「撥水」。水を弾くが生地の隙間を塞ぐわけではないので、例えば日傘に防水スプレーをしても雨傘にはならない。但し、スプレーを吹きかけておけば小雨ぐらいならば弾いてくれるので便利。

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折りたたみ傘を探している方はこちらの記事も参考にどうぞ。
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