タイトルから一般の飛行機恐怖症を浮かべた人が多いと思いますが、ここで話す苦手は精神的な苦手ではなく、身体的苦手の話です。
私の場合は飛行機が苦手というより、気圧の変化が苦手です。
飛行機に乗ると、誰でも気圧の変化に耳の詰まりを感じると思いますが、空気が抜けない時は不快を越えて恐怖です。今回はそんなお話です。
■はじめて空気が抜けなくて恐怖に陥った話
気圧の変化に耳が詰まった経験は、大抵の人が持っていると思います。
飛行機のほか、新幹線のトンネルや、高速のエレベーターなどでも起こります。
通常は詰まった感じが気持ち悪くなってきたら、自然にポンと抜けたり、唾を飲み込んだら抜けたりするのですが、20代の時の海外旅行で、はじめて空気が抜けない恐怖を味わいました。
初めて空気が抜けない経験をしたのは、アメリカ国内を移動するために乗った中型の飛行機の中です。
高度が上がるにつれて、詰まった感じが強くなるものの、どうしても空気が抜けなくて、そのうち鼓膜が破裂しそうな強烈な痛みに襲われました。
そばで客室乗務員が楽しそうに乗客と雑談しているのですが、英語で何と説明すれば良いのか分からず、もう少し我慢、もう少し我慢と、我慢し続けました。
「もう限界!」と思った時に、上昇が止まり、やがて高度が下がり始めたので、取りあえず鼓膜の破裂は免れたとホッとしましたが、降りた後、3日間は耳に痛みが残りました。
これが、空気が抜けなかったトラブルの初めての恐怖体験です。
■難聴と気圧の変化
私は難聴ですが、難聴と気圧の変化の関係は分かりません。
上記の体験は難聴を発症する1~2年ほど前のことで、発症して以降も頻繁に海外旅行で飛行機に乗りましたが、最初のうちは大丈夫でした。
それに、難聴でも飛行機が平気な人もいるし、難聴でなくても空気が抜けない人はいます。
ちなみに私の難聴は内耳の問題。気圧の影響を受けるのは耳管や鼓膜なので、頭の中では難聴とは別問題と思っていますが、感覚は違います。
私の場合は、難聴が進行して行くにつれて、気圧の変化への適応力も落ちて行ったので、意識は常に難聴とセットだったからだと思います。
まあ 因果関係のことはともかくとして、難聴で聴こえにくい耳が 普段の生活で頻繁に詰まるようになると、これは生活に大きな影響を及ぼします。
最初は 飛行機や新幹線のトンネルなどで耳が詰まると、以前より戻りにくくなるという程度でしたが、それがやがて 詰まったままになり、飛行機で移動した後は2~3日ほど耳が詰まったままで過ごさねばならなくなりました。おかげで 飛行機に乗る旅行は避けるようになってしまいました。
そのうち、エレベーターで30階程度の高さに上がっても、耳が詰まったまま戻らなくなるようになりました。
唾を飲み込んでも、耳の中でジジジと変な音を立てるだけで、一向に音は戻りません。
高層階に上がった時の耳の詰まりは、中途半端な感じで、無理に抜こうとすれば却って詰まりを酷くしてしまうので、ただ ひたすら聴力が自然に戻るのを待つばかりです。
これは 下に降りたらすぐに治るという単純なものでもなく、いつ戻るかは神のみぞ知るという感じです。
働いている身としては、これは つらいです。
普通に聴こえる耳の人でも、耳が詰まった状態になれば聴こえにくくなります。
難聴の私は、元々が人より聴こえにくいので、耳が詰まれば 補聴器をしていても無音に近くなってしまいます。これでは誰とも話ができません。
事務所が30階以上にある会社を訪問する時は、相手の話が全く聴こえないことを覚悟せねばならないのですから、普段の何十倍もストレスは跳ね上がります。
結局、役立たずで 恥をかくことも多発。
同行者に謝りっぱなしです。
今、振り返っても、過度のストレスによく耐えたなと思います。
日常に気圧の変化が影響し始めると、難聴者は健聴者以上に聴こえのダメージが大きいのです。
ちなみに健聴だった時も、耳が詰まれば、音はとても小さくなるので聴こえにくかったです。
だけど、集中すれば小さな音でも何を話しているのかを聞き取ることはできました。
難聴者は元が聞き取りにくい耳なので、詰まった耳で 言葉を聞き取るのは、補聴器をしていても困難なのです。
このように、私は移動による気圧の変化にとても弱いです。
だけど、幸いなことに 天候の気圧の変化はあまり感じていません。
■天候の影響を受ける難聴者は多い
台風シーズンになると、低気圧の影響を受けて不調になる人が増えます。
私の難聴の友人にも、低気圧が苦手な人が結構います。
耳の奥に 気圧の変化を感じるセンサーがあるので、耳に問題を抱える人は不調を感じやすいのかもしれません。
といっても、低気圧の影響を受けるのは難聴者に限ったことではなく、いろいろな人が影響を受けています。
症状も人によってさまざまで、頭痛の人もいれば、耳鳴り、耳痛、めまい、むくみ、だるさや眠さを訴える人もいます。そのほか 古傷が傷むという人もいます。
私の難聴の友人の訴えに多いのは 耳鳴りです。
そのほか、聴力低下や 耳の閉そく感を訴える人もいれば、頭痛やめまいを訴える人もいます。
難聴は血流も大きく影響するので、寒さなどの影響を受けることもあります。
難聴者にとって、ほんの少しの聴こえの差が、その日の会話に大きく影響するので、天候の影響が 聴こえに影響する人もストレスは大きいと思います。
もちろん、耳以外の不調もつらいです。
体調で天気が分かる友人がいますが、雨が近づいてくると すごくしんどくなるらしく、耳に限らず天候に敏感な人は大変です。
近年、台風などが大型化してきて、低気圧の影響も大きくなっていると思います。
天候の影響を受けやすい人は、どうぞお大事になさってください。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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