この世のカラクリ(空想物語)「私たちは自分で自分の人生・境遇を選んで生まれてきた」

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物語

私は天性輪廻を信じています。
信じている方が人生を最期まで頑張れるから。
今の人生を放棄せず、今を一生懸命生きようと思えるから。

以下は私の脳内の架空の物語です。

トンちゃんは小学校の3年生。
トンちゃんの通う学校には、いろんな人がいます。
頭が良くて、記憶力抜群のマーちゃん。
スポーツなら何でも器用にこなせるカー君。
絵を描かせたら天才的なサッちゃん。
運動はからきしのキーちゃん。
頑張っているのに、覚えるスピードが遅いモーさん。
小さい頃から人の痛みが分かる優しいジロ君。
乱暴者のヤッさん。
自閉症のミーちゃん。
ダウン症のター君。
目が見えないチーちゃん。
耳が聴こえないコー君。
大家族のペー君。
お父さんお母さんがいない施設暮らしのシーちゃん。
家がお金持ちで何でも買ってもらえるケイ君
容姿端麗なレイちゃん。
貧乏でいつも同じ服を着ているロン君。

そして、トンちゃんの生まれた国は平和ですが、
外国から引っ越してきたピー君の生まれた国は戦争ばかりしています。

五体満足で生まれる子、障害を持って生まれる子、これは同じではありません。
お金持ちの家に生まれる子、貧乏な家に生まれる子、これも同じではありません。
平和な国に生まれる子、戦争ばかりしている国に生まれる子も、条件は同じではありません。
与えられた試練は皆違います。

トンちゃんは、みんなを比べてこう思いました。
「神様はとても不公平だ」と。
でも、トンちゃんは忘れているのです。
自分がトンちゃんを選んで生まれてきたことを。

ある日、夢の中に おじいさんが出てきて いろいろなことを教えてくれました。
トンちゃんや周りのお友達の体の中には、魂(たましい)というものが宿っているそうです。
その魂は、軽くなって浮上しなければ、次の世界に行けないそうです。
「浮上ってなんだろう?」と トンちゃんは思いました。
おじいさんは、言葉で説明するのは難しいと言いながらも説明してくれました。
トンちゃんにはあまりよく分かりませんでしたが、とにかく 上なのか遠くなのか分からないけれど 浮上しないとだめらしいことは分かりました。
ところが魂だけだと軽いか重いかがよく分からないので、沈んでしまう魂が続出したそうです。
そこで神様は、自力で浮上するのが難しい魂や、汚れて重くなってしまった魂が修行できる場所を作りました
それが この物質の世界です。そして 今一番人気の修行場が地球だそうです。
魂には形がないので 重いとか軽いということが とても分かりにくいのですが、物質化すると 重い軽いがとてもよく分かります。
そして、物質とは重く、生存するということは それ自体がとても重いことなのだそうです。
トンちゃんには少し難しかったけれど、おじいさんの話は次のようなものでした。
魂が学んでいる重い軽いは、単純にグラム(g)で表せるような重さではありません。
魂にとって最も重いのは「人間のエゴ」です。地球の生物の中では一番重いので、人間に宿る魂は地球では最終ステージにチャレンジしていることになるそうです。
魂は、物質に宿ると 物質の強烈な性質に飲み込まれます
生まれる前の記憶が消えるので、自分の使命も忘れてしまいます。
鮮明な記憶が薄れても 自分の目標を達成する。それが地球に生まれた者たちの課題だそうです。「まさに“人生ゲーム”だなあ」と 他人事のようにトンちゃんは聞いていました。
そして トンちゃんは思いました。生まれたと同時に目標を忘れてしまうのにどうやって達成するのだろうと。
おじいさんは、その方法も教えてくれました。
生まれる前に描いていた目標は思い出せなくても、浮上することが目的なので、自分の心の奥に耳を傾ければ分かるそうです。
私たちは、理屈抜きに 心が痛んだり 罪悪感を持ったりすることがありますが、この無意識の心の声が魂の叫びだそうです。心が重くなることはしない、心が軽いと感じることをする。これが修行中の私たちのバロメーターです。
よく誤解されるのは快楽です。弱肉強食から生まれる快楽は、物質に縛られたものなので とても重いです。成功した、金持ちになった、そういう喜びは軽そうに見えてとても重いのです。
成功した人の心の中に物欲や支配欲など物質界特有の満足感しかなかったとしたならば、心の奥底にはきっと虚しさがあるでしょう。世界の頂点に立った成功者の中に 多額の寄付をする人が多いということには この心の作用が影響しているのかもしれません。物欲はどれだけ充たしても満足することはありません。すぐに渇くので、達成した瞬間の喜びを求めて もっともっとと際限のない欲望の中に生きる人生になります。
物欲を充たしたときの喜びはとても大きいだけに、重いとか軽いとかの判別は、人によってはとても難しいことです。

今のトンちゃんは、普通の平凡な家庭に生まれた 平凡な女の子。
でも前世は、独裁国家のボスの息子でした。
独裁国家はそれこそ物欲の塊のようなものです。
前世の人生を選んだ時、トンちゃんは「チヤホヤされて物欲におぼれる息子の体に入って、自分の物欲のためではなく、民のために働いてみせるのだ」と息まいていました。
だけど残念ながら、息子の体に入った途端 強烈な物欲に負けて お父さんよりも過激になって他の国まで占領して民を苦しめるという人生を歩んでしまいました。
物質世界では成功かもしれませんが、魂の修行としては大失敗で、トンちゃんは更に重くなってしまいました。

その前は、障害者シリーズに凝っていて「どんなに苦しくても 人のことを思いやれる人間になるのだ」と、片っ端からいろんな障害にチャレンジしましたが、ことごとく失敗しました。
前々回は、これが最後だと強い決心のもと 小児麻痺で体の自由を失った障害者にチャレンジしましたが、いつものごとく 障害の苦しさに負けて 自分のことしか考えられないまま、文句ばかりの人生を送ってしまいました。

トンちゃんのレベルでは、癖の強い体はハードルが高過ぎます。本人も ようやくそのことに気付いて、今回は平凡な女の子を選びました。
夢に出てきたおじいさんは、トンちゃんに この世のカラクリをほんの少し伝えた後、「その体で何ができるかな?」と言い残して去っていきました。
実はトンちゃんは、889万4640回も人間にチャレンジしているのですが、全く前に進めない落ちこぼれなのです。このままだと浮上するどころかどんどん沈んでしまうので、講師が出血大サービスで、修行中であることを教えてくれたのです。

これを教えてもらって、トンちゃんの世の中を見る目は変わりました。
神様は不公平じゃなかったのです。
神様がしたのは修行場を設けて運営することだけで、この世の人生を良くするのも悪くするのも自分次第だったのです。
この事実を知ったトンちゃんの心から、皆を見比べて不公平だと思っていた気持ちは消えてなくなりました。
重度の障害を持って生まれてきたお友達を見て、今までは「かわいそうだなあ。自分はああでなくて良かった」と思っていましたが、今は「あんな不自由な体にチャレンジしているなんてすごいなあ」と 頑張っているお友達を心から応援できるようになりました。
お金持ちのケイ君や 容姿端麗なレイちゃんのことを今まではとても羨ましくて「あんなに 恵まれていたら、そりゃなんだってできるよね」とひがんだり、「ロン君よりはマシ」なんて思っていましたが、そんな自分を恥じました。人生に上下はないのだということを知ったので、それぞれの人生を素直に尊重できるようになりました。
今のトンちゃんは、「みんな頑張ろうね」と素直に応援できる子です。

おじいさんは、もう1ついいことを教えてくれました。
頑張った能力は、次に持っていけるのだそうです。
お金や大好きなお人形は持っていけないけれど、すごく頑張った心は持っていけるのだそうです。知識や技術をそのまま持ってはいけないけど、考える力や、頑張って身につけた能力は素質として持っていけるのです。頑張れば次は天才のように閃く子どもになれるかもしれないと思うと、トンちゃんはワクワクしてきました。

トンちゃんは思います。
「自分の魂が今世で少しでも浮上できるように頑張ろう」と。
そして「次の人生にプラスになるように、大人になっても、おばあさんになっても、最期まで頑張るぞ」と。
そして「少しでも早く 地球の修行を終えて、見たことのない次の世界に行こう」と。

さて、トンちゃんが選んだ平凡な女の子は、この先どんな人生を歩むのかしら。
楽しみですね。

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以上が私の世界観です。
説明しにくいので物語風にしましたが、幼い頃から「人はなぜ死ぬのに生まれてくるのか?」との問いを抱えて何十年も悩み続けた末に行き着いた私の答えです。
実際はどうなのかは知りません。
ズバリ正解かもしれないし、全然違うのかもしれません。
それでも、私は、今世を生きている間は、天性輪廻も、魂の存在も信じるし、そしてそれぞれの魂は自分でその肉体と境遇を選んだのだという考えもずっと変えないでしょう。

違っていてもいいのです。
そう考えると、とても生きやすいのです。
どんな辛いことも前向きに受け止めることができるし、最期の最期まで諦めずに頑張ることができる。何よりそう信じた方が 人生がちょっと楽しくなる。
バロメーターは「心が軽くなる」かどうかです。
何が正しいのか間違っているのか、私たちは常に選択していかねばなりません。
私たちは周りの評価や、規則、正義感など、いろいろな思いに縛られながら生きています。
だけど世間の考えがすべて正しいわけではありません。
はっきりとしたバロメーターを持っていなければ常に心は揺れ動きますし、自分の心が重くなるような考えを選択して自分を苦しめることになるかもしれません。

だから私は人生で究極の選択に迫られてすごく迷った時や、なぜか非常に悩む時などは、自分の心の奥に意識を向けて、自分の心が軽くなるか重くなるかを感じ取ることにしています。
時には顕在意識の判断とは真逆の選択になることもありますし、物欲に負けてしまうことも しょっちゅうです。

人生はとても難しい。
でも、何かにチャレンジしているのだという自覚があれば頑張れます。
生きる意味を見失っても大丈夫。
辛い体験に心が折れそうになっても大丈夫。
自分が頑張るために自分が選んだ試練です。
終わりはありません。この世を去ってもずっと続いているのです。
浮上し続けている限り、意味の無い人生なんてありません。
どんなに重い人生でも、心が軽くなることを目指している限り、私たちは報われるのです。

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トンちゃんシリーズ第二弾のテーマは躾(しつけ)です。
「しつけってなあに」のまき

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