数年前に筆談ボードをいろいろ使った感想を書きました。
難聴者用の筆談ボードは定番品が多く、数年でおすすめが変わるものではありませんが、一部更新が必要な製品もあったので、情報更新を兼ねて、改めておすすめ品を紹介します。
使った感想については過去の記事の方が詳しいので、興味のある方はそちらもどうぞ。→【筆談ボード】いろいろ使ってみた感想
前回ご紹介した「フィンガーボード」は用途が違うのでここでは紹介していません。
筆談ボードは難聴者に限らず、メモや仕事の打ち合わせなど、誰でも便利に使えるツールです。
一般利用の場合は保存できる機能が付いている方が何かと便利ですが、難聴者の筆談用の場合は 保存機能は付いていない方が良いです。
なぜなら、何気ない日常会話の中には記録に残したくないこともあり、書く人によっては保存できるタイプだと抵抗を感じる人もいるので、綺麗さっぱり消えるタイプの方が良いのです。
なので、ここで紹介する商品には 保存機能はついていません。
最初に紹介する3つは、私自身が使って良かったと思っている商品です。
それ以降は、私は使ったことはないけれど、いろいろ持っていなければ検討するであろう商品です。
使う人の用途や使い方によって、おすすめの商品は違ってくるので、好みと用途をよく考えてご自分にあった商品を探してください。
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■キングジムの「ブギーボード」
「ブギーボード」は私が初めて手にした筆談ボードです。
書き心地が滑らかで、ボタン1つで綺麗に消去できるので、使っていてストレスを感じません。
筆圧によって文字の太さを変えることもできます。
私が購入したのは、電池交換不可の「BB-1N」(画面サイズ8.5インチ)ですが、現在この型は製造されていません。
これと類似した商品に「BB-1GX」があります。
電池交換可能な商品が主流になっている中、「BB-1GX」は電池交換不可で、その分お値段が安いです。
ちなみに、消去回数は約5万回なので、電池交換ができなくても十分な回数だと私は思います。
あくまで個人的見解ですが、電子機器は当たり外れがどうしても生じるので、安くても高くてもいつかは壊れると考えた方が良いです。そういう見方からブギーボードの私のイチオシは「BB-1GX」です。
【BB-1GX】
●サイズ:222mm×141mm×厚み3.2mm
(画面8.5インチLCD 182mm×125mm)
●重さ:約110g
●使い方
・付属のスタイラスペン(タッチペン)で書く。
※専用のペンでなくても爪でも書ける。
・ボタンをワンタッチで全消去。
※部分消去はできない。
●特徴
・約5万回書き換え可能。
・電池交換不可。
【BB-7N】
電池交換したい方は、こちらのタイプが画面サイズ8.5インチで、電池交換可能なタイプです。
●サイズ:227mm×146mm×厚み4.4mm
(画面8.5インチLCD 181mm×125mm)
●重さ:約110g
●特徴
・電池交換可・液晶コントラスト比が従来比50%アップ
・裏面にマグネット内蔵(金属面に貼付け可能)
・付属のスタイラスをスタンド代わりに使用可能
・収納しやすいスタイラスホルダー
個人的な意見ですが、外出時に持ち歩くことが目的の場合、大き過ぎると不便です。
かといって小さ過ぎると用途が限られてしまうので、私はA5ノートぐらいの大きさが使いやすく、ブギーボードでは8.5インチが使いやすい大きさでした。
だけど普段使っているバッグが小さい人はもっと小さい方が良いでしょうし、持ち歩かないのであれば大きなサイズでも問題はありません。その人の使い方次第なので、参考にブギーボードの各タイプのサイズを下に記しておきます。
タイプによって機能も異なるので、そこは メーカー(キングジム)のサイトなどをチェックして選んでください。
この中で半透明液晶を採用しているタイプは、私は使ったことはありませんが、普段の筆談には向かないと思います。
【キングジムのホームページ掲載商品(2021年9月現在)】
○BB-12 3.9インチ(ふせんサイズ:86mm×86mm×厚み5.5mm 約40g)
○BB-14 6インチ(A6手帳サイズ:148mm×105mm×厚み5.5mm 約75g)
○BB-1GX(電池交換不可)8.5インチ(サイズ222mm×141mm×厚み3.2mm 約110g)
○BB-7N 8.5インチ(サイズ227mm×146mm×厚み4.4mm 約110g)
○BB-13(半透明液晶)9.1インチ(サイズ231mm×153mm×厚み5mm 約136g)
○BB-9 10.5インチ(サイズ269mm×175mm×厚み5.7mm 約220g)
○BB-11(半透明液晶)13.8インチ(サイズ328mm×231mm×厚み5mm 約273g)
余談ですが、私はブギーボードの他に、同じタイプの格安ボードを2種類持っていました。
1つは線が細すぎ、書くスピードが速いと書けないなどで、使い物にならないので処分しました。
もう1つは問題なく使えますが、書き心地はブギーボードの方が良いので、ブギーボードだけを残してこれは人にあげました。
格安な製品はたくさんありますが、格安製品は不良率も高く、失敗するリスクも高いです。
失敗して複数買うはめになるぐらいなら、少々高くても信頼できるメーカー品を最初から選んだ方が結果として安くつくこともあります。
ブギーボードも絶対ではないので、日常の筆談レベルで使うならばやはり安価な「BB-1GX」がおすすめです。(あくまで個人的見解です)
■簡易筆談器「かきポンくん」
●サイズ:167mm×272mm×厚み25mm
●重さ:約400g
●使い方(磁気ボード)
・付属のマグネットペンで書く。
・ボタンをワンタッチで全消去。
※部分消去はできない。
●特徴・磁気ボードなので消耗品無しに繰り返し使える。
・ペン紛失防止のひも付き。
・ペンは本体に差し込んで収納可能。
・本体上部にペン置きの穴があるので、ペンを立てていつでも使えるように待機させておくことができる。
このボードは、聴覚障害者向けで探すと、必ずと言っていいほど おすすめに出てくる筆談器です。
私はかれこれ5年ほど使っています。
購入のきっかけは私の難聴の知人が会社の机に置いて使用していて、すごく便利だと絶賛するので、私も会社で使うつもりで購入しました。
私が心動いたのは、ボードそのものの機能ではなく、「筆談でお願いします」のシールだったのですが、残念ながら会社の私の机の上は物が多過ぎて筆談器置き場を設けることができなかったので家で使っています。※シールは付属なので、貼りたくない人は貼る必要はありません。
正直、この商品は細かく書けないのであまり好きではありませんでした。
この筆談器を見た人は大抵、子ども用のお絵描き玩具を思い浮かべますが、そんな感じです。
ところが現在は一番使用頻度が高いです。母が老人性難聴で聴こえにくくなってからは、私が書いてあげることが増えたからです。
ワンタッチで綺麗に消去できること、ペン紛失防止などの配慮がなされているなど、筆談器として使いやすく工夫されており、何より丈夫なところが評価できます。
磁気式なので、細かい文字は書けない反面、逆に太字なので、目が悪い人には見やすいです。大きく書いてすぐに消す。それの繰り返しで相手に伝えることができます。
持ち歩きには向きません。
■コミュニケーションボード「COBO」
●サイズ:210mm×145mm×厚み8mm
●重さ:120g
●使い方・付属のマグネットペンで書く。
・表示面をスライドさせて消す。
●特徴
・マグネットペンは上下で太字と細字の2種類が使える。
・本体はストラップの取り付けが可能。
・ペンはポケットにさせる形状。
現在私が一番持ち歩いている筆談ボードです。
以前はブギーボードを持ち歩いていましたが、電子機器は調子が悪くなるとお手上げです。
その点、アナログは安心なので、いつの間にかこちらを持ち歩くようになりました。
このボードはマグネットタイプですが、「かきポンくん」のように荒くはなく、細ペンを使えば小さな文字も書けるので、筆談用としては使いやすいと私は思っています。(線の太さは上記の写真を参考にしてください)
不満点は、書いた文字を消す時に、1回のスライドでは綺麗にならず、3回ぐらいスライドさせねばならない点です。あと、ペンが直ぐに外れるので失くしやすいのが不満点でしたが、これは紐で本体と繋ぐことで解決しました。写真の青い紐は家に余っていた紐を勝手に結んだもので、紐は付属品ではありません。私は余っている紐を適当に使っているので色バランスがおかしいですが、オシャレな紐を使えばボードの印象も変わります。
※この商品は取り扱っている店舗が少ないです。
商品を開発したNPO法人「阿波グローカルネット」から直接購入も可能です。
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上記の3つが、実体験からおすすめできる商品です。
以下は、私はまだ使ったことがないけれど、これから買うのであれば 検討したいと思える商品です。
できれば試してから紹介したかったのですが、上記3つの他に、マジックで書くボードも複数持っていて、これ以上は 今のところ増やす予定はないので、紹介だけさせていただきます。
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■磁気式メモボード ジッキースーパーライト ハンディタイプ
【JB-07】
●サイズ:164.5mm×257mm×厚み8.7mm
(画面サイズ:115mm×183mm)
●重さ:150g
●使い方
・付属のマグネットペンで書く。
・消去方法は ペン側面にある消去用磁石を本体の裏面(消したい所)に当てて消す。
●特徴
・一括全消去のボードが多い中、こちらは部分消去が可能なので、部分修正をしたい人向け。
・裏面が透明になっていて、消したいところを見ながら消せる。
■リングノートタイプのホワイトボードnu board(ヌーボード)
【新書判】
●サイズ:104mm×178mm
●ボード枚数:4枚(8頁)
※1頁・8頁各1枚、それ以外は各頁間にシート1枚
●透明シート:PET5枚(光沢あり)
●付属品:ホワイトボードマーカー(黒)、ペンホルダー
【A4判】
●サイズ:223mm×301mm
●ボード枚数:4枚(8頁)
●透明シート:PP8枚(半透明)
※各頁にシート1枚添付
●付属品:ホワイトボードマーカー(黒)、ペンホルダー
●nu board特徴
・ボード面には紙のホワイトボードとして定評のある「消せる紙」を使用。
・透明シートが添付された2層構造。
・透明シートも書き込み可能でボードと同じように消去可能。
この商品は、難聴者の筆談用というよりも仕事の利用と併用できそうだと思って候補に挙げた商品です。
仕事をしていると、普段使いと筆談用の両方に使えた方が便利で、この商品だと筆談用のページと仕事のメモに使うページに分けて使うことも可能なので、1冊で多様な使い方ができるのが魅力です。
仕事優先ならA4判、持ち歩き重視なら新書版というところでしょうか。
会議の席などで机の上に置いていても、このタイプならば気にならないので、働いている人には筆談ボードよりもこちらの方が使いやすいかもしれません。
気を付けたいのは、この商品もホワイトボード特有の書いたまま放置していると消えにくくなる特性があるので、書きっぱなしにしてしまう人は注意が必要です。
■ワイワイボード 筆談用メモボード
【JI-WiWi】
●サイズ:210mm×148mm×厚み4mm
●重さ:本体85g+ペン9g(イレーザ付マーカーペン)
●特徴
・2つ折のホワイトボード。開くとA4サイズ、閉じるとA5サイズ。
・筆談面にはコピーしても写らない桝目が印刷されている。
・一般のホワイトボード用マーカーペンも使える。
・拭き取りは、イレーザ、ティッシュペーパー、柔らかな布などで消せる。
シンプルなホワイトボードです。
私は単純なA4サイズのホワイトボードは持っていて、これは2~4人で会話する時に机の真ん中に置いて皆で書き込みながら話すのに使っています。
こういう使い方は最低でもA4サイズ程度の大きさは必要になりますが、この大きさは持ち歩きに不便なので、使うことが決まっている時以外は持ち出すことがありません。
この商品はA5に折りたためるので、普段から鞄に忍ばせておき、必要な場面でいつでもサッと取り出して使えるところが魅力です。
以上が現在私がおすすめできる商品です。
上記の他にも様々な商品があります。
指差しシート付の筆談ノートなどもありますが、使い勝手はあまり良さそうではないので、う~んと思うものは省きました。
便利な商品を見つけたら、その都度ご紹介したいと思います。