ナンチョーな私の気まぐれ日記(19)「補聴器をしても普通に聴こえるわけではない」②健康な耳は優秀

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ナンチョーな私の気まぐれ日記

前回は「言葉の聞き取り」をメインにお話しました。
補聴器で音を大きくすることは出来ても、耳が治らない限り、音は不鮮明なままだという話でした。
補聴器を装着しても、普通に聴こえるわけではないのです。
※前回→「補聴器をしても普通に聴こえるわけではない」①言葉の聞き取り

今回は言葉の聞き取り以外の話です。
健康な耳の人なら当たり前に持っている機能だけど、難聴になると補聴器をしても取り戻せない機能についての話です。

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■補聴器は遠くの音まで拾わない

健康な耳の人は、話し手から距離が多少あっても声を拾えます。
難聴者が補聴器をすると同じように遠くの音を拾えるかというと、これは無理です。

難聴者が補聴器をする目的の多くは会話の改善のためです。
特定の音を拾い出すことが出来なくなった難聴者にとって、雑音は話し手の声を完全にかき消してしまったりするので、基本的に 補聴器は目の前の人の声を拾いやすいように設定しています。

補聴器が音を拾う範囲は、マイクの性能や、調整の仕方も影響するので一概には言えませんが、私の場合は2mを超えると厳しい気がします。
朝礼など、話し手と距離が出る場面では、ほとんど聴こえていません。

また、360度同じボリュームで音が入って来ると、後ろの人の声が煩くて、前の人の声が聴こえないということにもなるので、一般に マイクの指向性を前方に向けて調整している人が多いです。

なので、難聴者と話をする時には、そばに行き、顔の正面から話かけるようにしてください。そうしないと補聴器の効果を最大限に活かせません。

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■補聴器をしても「カクテルパーティー効果」は無い

「カクテルパーティー効果」とは、大勢の人が雑談しているガヤガヤ煩い環境の中でも、自分が聞きたい音を拾い出せる機能で、ガヤガヤざわざわ煩い環境の中で人と会話ができるのも、自分の名前を呼ばれたら反応できるのも、この機能のおかげで、健康な耳の人なら当たり前に備わっている能力です。

この能力は、難聴になると失われます。
これは補聴器をしても改善しません。

健康な耳の場合、聞きたい声の人に集中していれば他の人の声は気にならなくなるけれど、補聴器の場合は、補聴器の設定通りにしか聴こえません
前方に指向性を合わせていても、前方に座っている人のそばで倍のボリュームで話す人がいれば聞きたい人の声は、大きな声に簡単に掻き消されてしまいます
なので、居酒屋みたいな至近でガヤガヤしているお店は、難聴者は苦手です。
ちなみに私が難聴者同士で飲食店に集まる時は、個室を利用しています。

健康な耳の人なら静か過ぎるより ある程度音があった方が 周りに聴こえない安心感もあって話が弾みやすいのですが、難聴者は逆です。
ざわめきやBGMは全て聞き取りの邪魔になるので、静かな環境を好みます

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■耳元で大声を出すのはNG

難聴は音が聴こえないと思われていることから、聞き返すと怒鳴り声で話されたり、耳元で大声を出されたりする事がよくあります。

確かに、補聴器が必要なほど聴力が低下しているのに補聴器を着けていない人には 大声が必要な時もあります。
日本では補聴器が高過ぎることもあって、高齢者には補聴器を着けていない人も多く、そういう人には大声が必要かもしれません。

だけど、学校で学ぶ学生や、社会で働いている人なら、人の話を聞く必要があるので、大抵の難聴者は補聴器を着けています

すなわち、音は増幅済みの状態なので、耳元で大声を出されたら必要以上の音が入って飛び上がってしまいます。
これは健聴者と同じで、耳元で大声出されたら、耳キーンです
絶対に耳元で大声は出さないでください

また、前回お話した通り、難聴者の聴こえる音は狂っているため、怒鳴られると逆に音が割れて聞き取れません

大きめの声でゆっくり話してもらうことは有りがたいのですが、大声で怒鳴ったり、耳のそばで大声を出すのは逆効果だと覚えておいてください。

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■補聴器ユーザーの「うるさい」= 刺激的な苦痛

難聴になって小さな音が聴こえなくなると、悲しいことに 大きな音への許容範囲も狭まります
大声で怒鳴られると却って聞き取れないのも、この大きな音の許容範囲が狭まっているからでもあります。

難聴になると、下からも上からも押しつぶされるように、快適に聴くことができる音の範囲が狭まるのです。
音が聴こえなくて困っているのに、大きな音まで苦手になるなんて、マジで涙です。

これ、体感的にどんな感じかというと、大きく聴こえる音は、大きいのではなく、壊れた刺激音になるという感じです。

健康な耳ならば、単純に音が大きいと感じるだけなので、普通は音に対して「うるさい」と言う時は、音が大き過ぎたり、余計な音が多過ぎる時に使っています。
難聴者が「うるさい」という時には、別の苦痛が混じります。
音が大き過ぎるというのとは少し違って、頭に響くような刺激的なうるささ(苦痛)です。

進行性難聴の自分の体験で語ると、難聴が軽かった時は、普通の音量なのに「大きいなあ」と感じる程度でした。
それが、難聴が進むにつれて、脳に響くようになり、それが だんだん苦手で我慢できない音へと変化していき、苦痛で毎日が拷問だった時もあります。

今の私は補聴器を外すと殆ど聴こえないので 裸耳では平気ですが、補聴器を装着すれば相変わらず苦痛な音があって悩まされます。
どのタイミングで過敏症状が出るようになるのかはよく分かりませんが、進行性難聴の私の場合は 低下しはじめた音の中から次々過敏症状が現れ、失聴した音は苦痛から解放されるというのを繰り返しています。

ちなみに、音の過敏症状に悩む難聴者は多いです。
もしも難聴者から音を抑えて欲しいとお願いされたら、拷問級の苦しみを味わっているかもしれないので、お願いされた音はできるだけ出さないように配慮してもらえると嬉しいです!
ちなみに 私が苦痛だった音の中には、乱暴に紙をめくったり、ペンで机を叩くなど、特に必要ない動作から生まれる音も結構あったので、それは配慮可能かなと思っています。
なので、ぜひ音に苦しむ難聴者がいれば、音への配慮もよろしくお願いします。

この他にも、難聴になって失った機能はいろいろありますが、キリがないので今回はこの辺で終わりたいと思います。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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[前回のナンチョー日記]
  ↓
ナンチョーな私の気まぐれ日記(18)「補聴器をしても普通に聴こえるわけではない」①言葉の聞き取り

[次回のナンチョー日記]
  ↓
ナンチョーな私の気まぐれ日記(20)BGMの無い世界

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