ナンチョーな私の気まぐれ日記(26)字幕に感謝

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ナンチョーな私の気まぐれ日記

私はテレビをよく見ます。
難聴になったことで、一時期はテレビ離れしましたが、字幕が増えたおかげで再び見るようになりました。
但し、見ない番組はあります。
メロディが聴こえないので音楽番組は見ません
ドラマや映画やアニメは好きですが、字幕が無いものは内容が分からないので見ません
特にアニメは口元を見ても何を言っているかサッパリ分からないので、即 諦めます。
ドラマや映画は字幕が無くても何となく映像に見入ってしまうことはありますが、何を話しているのかの情報がないとストーリーに入り込めないので、やっぱり見ません。
音が無いとどんな感じなのかは、消音にすれば誰でも体験は可能なので、興味があれば一度お試しください。

ちなみに難聴者の聴力は軽度から重度まで様々です。
音は聴こえるけど言葉を聞き間違う程度の軽い難聴から、ほとんど失聴している人までかなり差がありますが、多くの難聴者の共通点は、言葉の聞き取りに苦労していることです。
なので、字幕に対応した番組が増えた今の状況はとても有りがたいです。

余談ですが、今の私の耳は音が正常ではなく、テレビの音はただの雑音。なので今は補聴器を外して字幕で見ています。
人の声や効果音が聴こえていないので、ドラマや映画は健康な耳の人と感動の場所が微妙に違ったり、異なる印象を受けたりすることがあります。
たとえば 過去のドラマで、俳優さんの声の作り方が不自然過ぎて見るのを止めたと友人が言っていたドラマがあるのですが、声の影響を受けない私は表情やしぐさを見て この俳優さんは上手いなあと感じていました。
聴こえないと 字幕と表情を見ながら勝手に声を想像するため 実際とは違った印象になるようです。
そういう違いはありますが、これはこれで楽しめています。
字幕のおかげです。

今も全部の番組が字幕対応しているわけではありません。
全番組に字幕がつく時代に早くなってほしいなあと心から願っています。

この文字によるフォローで助かっているのは、字幕だけではありません。
近年は音声を文字に変換してくれるアプリの機能も上がっており、昔に比べたらほんとに便利になりました。
字幕に携わっている方や、アプリを開発しておられる方、また要約筆記やパソコン筆記、そして普段筆談をしてくれる方など、多くの人に感謝です。

感謝しつつも、字幕やアプリの技術はまだまだ途上の段階。
「さらによろしくお願いします」の意を込めて、現状の不満点を書かせていただきます。

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■テレビ番組の字幕の現状

テレビの字幕はずいぶん増えて、難聴でも見ることができる番組が増えました。
だけど、字幕は全部の番組に付いているわけではないので、ガッカリすることもまだ多いです。
例えば、BSはまだまだ字幕の無い番組が多いし、深夜番組も字幕が付かない番組が多いので、夜型の私はガッカリすることが多いです。
番組欄を見て「見たいなあ」と思った番組が見られない状態は、目の前に大好物の料理を置かれて「見るだけで食べないでね」と言われているようなストレスを感じます。

番組ではありませんが、最近ようやくテレビCMにも字幕が付くようになりました。
CMは見たくて見ているわけではないですが、音が無いと退屈度半端ないです。
字幕の無いCMを見るたび、聴覚障害者は消費者として扱われてないのだなあと寂しく感じることもありました。
それだけに字幕付きのCMの登場は嬉しかったです。

だけど、字幕が増えているとはいえ、全部の番組やCMに字幕が付いているわけではありません
2013年に障害者差別解消法が制定されたことで、テレビの字幕は当たり前になるのかなあと期待しましたが、ここに来て番組の字幕化のスピードは落ちてきたように思います。
ここで止まらず、字幕が当たり前になる日が来ることを期待しています。

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■字幕の内容への要望

字幕でドラマを見ていると、話している人が誰なのか分かるように台詞の頭に(名前)が表示されます。
これがないと画面に映っていない人の台詞が誰の者なのか分からないので、この配慮はとても助かっています。

だけど困っていることもあります。
それは名前が漢字なので珍しい名前や普通と異なる読み方の名前は分からないことです。
普通に音声で見ている人は名前の漢字まで知らないことが多いです。
ドラマの話をする時、漢字を知らなくても話はできるけど、名前の読み方が分からないと話がしにくいので読み方は知りたいです。
ドラマに限らず、文字に頼って生きている聴覚障害者は漢字から勝手に想像して読んだりするので、思い込みで俳優さんの名前を間違って覚えることも少なくありません
聴こえないので一度間違って覚えると、なかなか間違いに気付けず、公衆の面前で大恥をかくこともあります。

ちなみに最近のドラマでは、最初だけ名前にフリガナが付くことはあります。
だけど、その一瞬を見逃せば後はずっと漢字だけなので「何と読む?何と読む?」と悶々としながら見ることになります。
字幕に出て来る名前には必ずフリガナを入れてくれると嬉しいです。
それが難しいなら、名前は漢字ではなくカタカナやひらがなにするなど、音声で見ている人と同じ情報が入るようにしてもらえたら嬉しいです。

最近、字幕付きのCMで 喋っている俳優さんの名前と商品名にフリガナがついているのを見ました。
これを見た時は感動しました。
それまでは、読み方を勝手に覚えてしまわないように常に仮称という意識を持ちながら漢字を見ていたので何かスッキリしなかったのですが、フリガナのお陰で警戒することなく安心して覚えることができ、なんか爽快というか、今まで無意識に感じていたストレスが意外に大きかったことに気付きました。
ここまで感激したのは私だけかもしれないけれど、読み方の情報の欠如は聴覚障害者の悩みなのは確かです。
人物名商品名の読ませ方は名付ける人の自由なので、音(発音)情報無しでは分かりません。なので 名称の発音の情報提供はぜひお願いしたいと思います。

もう1つ、不満なことがあります。
それは生放送などで使われているリアルタイム字幕です。
リアルな放送の場合、予め字幕を用意することができないので、どうしても字幕表示に遅れが生じます。
これは現状では致し方ないのは分かっているのですが、頑張って技術向上してくださいという願いを込めて不満を言います。

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■テレビのリアルタイム字幕

字幕は有りがたいけれど、リアルタイム字幕は苦手という人は多いです。
健康な耳を持っている人なら分かると思いますが、聴くのと読むのとでは、一般に聴く方が楽です。
難聴になると聞き取る機能が落ちるため 聴く行為はかなり大変になります。
そのため見る方が楽になりますが、読むのが楽になるわけではありません。そこは健聴でも難聴でも同じです。

健康な耳の人は普通に音が耳に入って来るので映像のみ見ていますが、聴覚障害者は映像を見ながら文字を読むので2つの部分に注意を振り分けるため健聴者よりもエネルギーを使っています。
普通の字幕でも忙しいのに、リアルタイム字幕になると映像だけが先に流れて、後から字幕が出て来るので、そのずれの補正を脳内でしなければなりません。
せめてずれるスピードが一定で、せいぜい2~3秒以下の遅れなら、ギリギリ脳内での処理も可能かもしれませんが、現在の字幕のずれは一定ではない上に、数十秒止まって字幕が飛ぶこともあり、こうなると人間の能力でカバーすることはできません

ちなみに自分の体験から感じることですが、中途半端に聴こえる人と、全く聴こえない人では、リアルタイム字幕の脳の混乱度は異なります。
私は中途の進行性難聴なので、健聴→軽度→中等度→高度と各段階の聴こえを体験してきましたが、過去を振り返ると、半分以上を音声で聞き取っていた時は リアルタイム字幕は集中を妨げるので邪魔でした。
というのも、まだ聴こえるので、メインは『聴く』です。
この頃の字幕の役割は、音が不鮮明な部分のみ字幕で補っているようなものなので、音声と字幕がずれると頭が混乱するのです。
字幕が無く 文字に頼れない時、難聴者は部分的に聞き取れた言葉を基に 不明な言葉を推測で埋めますが、これはかなり集中して聴く必要があります。
普通の字幕なら字幕に頼れるのでこの集中はお休みできるので楽なのですが、リアルタイム字幕は逆です。
遅れた字幕に気を取られると、聴くことに集中できないため、却って分からなくなるという悪循環が生じたりするのです。

これが聴こえない人になると違ってきます。
私の場合は聴力が更に低下して、耳での聞き取りがゼロに近くなってくると、音を完全に諦めて字幕に集中するようになりました
中途半端に聴こえていた時は音とのずれが気になりましたが、音が雑音でしかなくなると気になるのは画面とのずれだけになるので、ニュースなどの単調な流れの番組は画像を記憶に留めながら字幕を読み続けるという見方に変わりました。

但し、ずれているので大きな不満はあります。
CMに切り替わる時や、番組が終了するたび、遅れている字幕が完全にカットされてしまうことです。
最後の結論や解説を楽しみにしていたのに、ブチッと途中で終わるのはとてもガッカリです。
番組によっては字幕が極端に遅く、途中で止まってしまうこともあり、時に大幅に遅れた字幕をバッサリ切られてしまうこともあります
待たせておいて教えないというのは、かなり腹が立ちます。

また、字幕の生成スピードが遅すぎるため、喋っている人が次々変わるような番組は 聴力度に関係なく、見るのは厳しいです。

このリアルタイム字幕の生成スピードの遅さは 今も人間に頼る部分が大きいせいなので、不満よりは感謝の気持ちの方が大きいのですが、AIが進化しているとやはりスピードアップには期待してしまいます。
だた、AIの文字起こし機能は スマホのアプリの進化などを見ていると 期待しているのとは違った方向に進んでいるように見え、正確性を求められるテレビの字幕がAIに完全に頼れるようになるのは、まだ先のことかもしれません。

このアプリの進化についても語りたいことはいっぱいありますが、長くなるのでこれは次回にまわします。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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[前回のナンチョー日記]
  ↓
ナンチョーな私の気まぐれ日記(25)難聴の初期症状(私の場合)

[次回のナンチョー日記]
  ↓
ナンチョーな私の気まぐれ日記(27)音声を文字にしてくれるアプリに望むこと

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