ナンチョーな私の気まぐれ日記(54)とても厳しい日本の聴覚障害の認定基準

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ナンチョーな私の気まぐれ日記

私は20代で難聴を発症した中途難聴者です。
発症時は軽度で、徐々に進行が進んで今は障害者。

元々が健聴だったので、軽度難聴の時も 聴力に問題が出るたびに落ち込んでいました。
ところが、それが過去になると、現時点より遥かにマシなので せめてあの頃に戻りたいなあと、これまた振り返るたびに思うのです。
当然ですが、聴こえなくなるほど、不便さや辛さは増して行きます

ところが一度だけ、悪化を喜んだことがあります。
それは障害者の認定基準に達した時でした。
勿論、障害者になりたかったわけではありません。
現実が障害者級の不便さを伴うようになっていたのに、それでも情報保障すら受けられない状態が あまりにも辛かったからでした。

ということで、今回は日本の聴覚障害の基準の厳しさについて語りたいと思います。

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■私の経験談

私が最も苦しんだのは、片耳が70dBを超えているのに、もう片方が基準に数dB足りない状態の時でした。
お医者さんに手帳のことを訊くと「1dBの聴こえの差はとても大きいから障害者の聴こえはこんなもんじゃありません」と言われました。
だけど、実際に6級障害者になった時、何か変わったかというと、不便さの点では変化はありませんでした。
理由は、難聴は音量だけでなく、言葉の聞き取りの問題が大きいからです。

当事者の感覚では、障害か否かの境界は、自力で頑張れる術(方法)が有るか無いかだと思います。
そして、この境界は 配慮無しでは普通に生活できないというレッドラインなので、福祉で零れ落ちてはいけないラインだと言えます。

私の難聴はゆっくり進行したので、聴力が落ちるたびに補聴器を含めた機材の工夫や、仕事のやり方の工夫、助けてもらうための交渉術など、対策できることは全てやりながら、ギリギリまで自力で頑張っていました。
だけど、それにも限界があります。
聴力が対策不能レベルに達し、人の助け無しでは無理だと思い知らされた時、自然に「障害」という言葉が頭に浮かびました。
人の助け無しでは生きて行けないのに、公的には健常者なのです。
おかしなものです。

当時は、まだ6級のレベルを体験していなかったので、その後の不便は分かりませんでしたが、今の私は4級障害者。6級の不便さは体験済みなので、経験者として断言できます。
手帳取得前の私は完全に障害者だったと。

確かに進行が進むに連れて、聴こえの不便は増しますが、社会生活を営む上での問題は手帳所得直前と6級は殆ど同じでした。
これは6級が軽いのではなく、障害の基準に僅かに達していない難聴者の状態が 障害者並みに苦しいということです。

要するに、障害者の線引きのラインが高過ぎるということです。
では、実際のところはどうなのか、見てみましょう。

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■日本の聴覚障害の基準

日本の障害者の認定基準は両耳70dB(デシベル)以上です。
70dBと言われてもどれぐらいの音量なのかピンと来ないと思いますが、目安としては 70dBは大きな声やセミの鳴き声ぐらいの音量です。それが聴こえなくなるラインだと思ってください。
ちなみに、普通の会話の声は60dB程度なので、70dBの人には普通の会話は聴こえません。
日本の基準は、70dB以上なので、無情にも普通の会話が聴こえない人を健聴者として扱っているわけです。

下記は、日本の聴覚障害の等級別の条件です。

では、世界(他の国)はどうなのでしょうか。
WHOの基準を参考に見てみましょう。

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■WHOの聴覚障害の基準

以下は2021年改訂のWHOの聴力基準です。
□軽度20~35dB未満
□中等度35~50dB未満
□準重度50~65dB未満
□重度65~80dB未満
□最重度80~95dB未満
□全ろう95dB以上

WHOでは、65dB以上は重度扱いです。
ちなみに、WHOは「障害を伴う難聴とは、聴こえの良い方の耳の聴力レベルが35dBを超える難聴のことを指す」としており、35dB~を障害と考えています。

改訂前の過去の基準では、41dB~を「福祉サービスを必要とする聴覚障害をもつ者」としていましたが、今回はそれよりも引き下げた形となっています。
この基準の変更は、単に数字を引き下げたのではなく、それまでの物理的な聴こえを基準とする考え方から、社会的な影響を踏まえる考え方に変えたようです。35dBにしたのは、その辺りから社会からの孤立や認識機能の低下などが見られるからのようです。

日本では障害を機能でしか見ていないので、その点では改訂前の数字の方が参考になるかもしれません。
実際、私も41dBの方が障害の基準としては違和感がありません。

参考に改訂前の中等度以上の基準も記載しておきます。
(旧)中等度41〜55dB
(旧)高度難聴56〜70dB
(旧)重度難聴71〜90dB
(旧)全ろう91dB以上

厚生労働省のHPにWHOの基準と日本の基準を併記した表がありました。
(https://mhlw-communication-gov.note.jp/n/nd94be01a3eba)
これも参考になるので添付しておきます。
※下記の表は、上記URLに掲載されている図(厚生労働省の資料)です。

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■他国はどうなのだろうか?

日本の基準が厳しいというのは間違いないですが、他国がどうなのか気になったので、これは自力で調べるのは困難なので不精してAIに訊いてみました。
結果は国によって福祉の制度の在り方が異なるため一概に比較はできないとのことでした。
だけど、補聴器の公的支給や補助など何らかの支援をしている国は多いとのことで、日本以外の先進国ではWHOの昔の基準の40dB前後~何らかの補助をしているところが多いようです。
日本は70dBを境界に、それ未満の人を完全に切り捨てていますから、これはかなり厳しいとのことでした。

実際に厳しいことは、自分の体験で十分すぎるほど分かっていましたが、どうやら他国と比較しても厳しいようです。

ちなみに多くの難聴者は、音量の低下とともに語音明瞭度も落ちます。
難聴の友人知人と話をしても、60dB台の人は言葉の聞き取りに苦労している人が多いです。
60dB半ばを超えると、補聴器や機材にお金をかけても、それだけで生活や仕事をカバーするのは厳しくなります。
自力で対応できなくなった時点で、他人の冷たさが身に染みるので、一気に生き辛くなります。その不便さは障害6級とあまり変わらないのです。
それにも関わらず、情報保障も無ければ、障害者雇用も使えない。会社に私は障害者だと訴えることもできない。これは精神的にかなり追い詰められます。
私はその限界が60dB台で訪れたので、自分の体験上では、せめて現在WHOが重度と定義している65dB~は、障害6級に含めるべきだと思います。

それから、これは声を大にして言いたいのですが、難聴とは音量だけの問題ではないということです。
語音明瞭度(言葉の聞き取り)が低下することが大問題なのです。
純音検査での線引きが70dBという厳しさならば、尚更、語音明瞭度も考慮してもらわないと、支援が必要な人が零れ落ちてしまいます

語音明瞭度の理不尽さについては、次回お話したいと思います。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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