補聴器ユーザー目線の補聴器選び(その1)

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聴覚障害

【耳 No.5】
今回は体のことではなく、難聴者に必要な補聴器のことについて書きたいと思います。

私は補聴器屋さんではなく、補聴器を買う側の人間です。
補聴器のプロではないので、補聴器のことを詳しく説明できるわけではありません。それでも補聴器のことを書こうと思ったのは、ユーザー視点での補聴器情報を得るのがとても難しいと感じたからです。
ちなみに この記事は補聴器の初心者向けです。
初心者は補聴器屋さんに質問すべき事柄が分かりません。
私が初めて補聴器を購入した時に戸惑ったことや、こういう基礎知識があれば質問できたのにと思うことを取り上げているので、補聴器に詳しい方には緩い内容です。

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■補聴器は医療機器

補聴器も集音器のように音を増幅する機械ですが、「補聴器」と「集音器(助聴器)」は、たとえ形が似ていたとしても全く違います。
補聴器は医療機器で、厚生労働省の承認を得ていなければ「補聴器」という名称を名乗ることができません。
補聴器を使うメリットは、自分の聴こえに合わせて調整できることと、補聴器には大音量から耳を守るための出力制限機能が必ずついていることです。というのも、補聴器を通して増幅した音を聴くということは、増幅の上限に制限をかけなければ、大きな音が耳を傷つける音量で入ってきてしまうことになるからです。
「補聴器」という名称を使っている製品には、必ずこの機能がついているので安心です。

念のために書きますが、助聴器をその名称から、補聴器の親戚のように思っている人がいますが、助聴器は集音器であって補聴器ではありません。
補聴器以外の名称を使っている製品は、補聴器とは名乗れないので別の名称を使っているのです。

また、一般に集音器や助聴器は万人向けなので 個人に合わせて調整する必要はありませんが、補聴器は1人1人の聴こえに合わせて細かく調整して使うものなので、必ず調整者が必要です。
難聴は単に音が聴こえないだけでなく、音を脳に伝えるセンサーに不具合が生じているケースが大半なので、そういう人は 音を増幅すれば健聴な耳と同じになるわけではありません
その人の耳の状態に合わせて細かく調整することで、少しでも聴こえを改善する。それが補聴器の役割なのです。

ところが世の中を見ると、補聴器に調整が必要なことを知らずに買っている人もいます。
補聴器のような形をしていたら全て補聴器だと思っている人もいます。
見た目の違いが集音器と補聴器を分けているのではなく、上記のように性能が違うのです。
集音器や助聴器は、単純に音を増幅するだけなので値段は数千円から数万円と安いです。
補聴器は各人の聴こえに合わせた調整や、耳を守るための調整機能がついているため、その分値段は高く、片耳数万円~数十万円と高額です。
補聴器が高額なのは 精密な医療機器だからというだけでなく、購入後のアフターケア(調整)の料金も含まれるからです。

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■補聴器を買う際の注意点

私が難聴者との話でよく耳にするのは、補聴器が合わないという悩みです。この中には調整者を変えると解決するケースも少なくありません。
前述したように、補聴器は調整者を必要とする製品なので、調整してくれる人の知識と技術が大きく影響します。
だから、通販で買った人は そのあと どうしているのだろうと思いますし、補聴器をプレゼントしたいという人がいますが、製品だけプレゼントされても困ります。
繰り返しますが、補聴器は調整者がいて初めて正常に機能する製品なのです。ですから、店舗で買うにしても、認定補聴器技術者など補聴器や耳の知識を持っている専門家がいるお店で買うことをおすすめします。
間違っても家電を売るような感覚で、試聴もさせずに売りつけるような所では買わないでください購入前の視聴はとても大切です。

もう1つ、注意したいのは、補聴器の専門家もいるし、試聴もさせてくれるからといって、どこもが良心的な店舗とは限らないことです。
不必要に高価な補聴器をすすめるお店もありますし、また良心的なお店でも 顧客に聞かれない限り自らデメリットを話し出す人はいません。
私がこの記事を書こうと思ったのも、私自身、最初はすすめられている補聴器が高いのか安いのかさえ皆目見当がつかなくて不安でしたし、その後いろいろな人の話を聞いていると、無知につけ込んで無駄に高い物を買わされたり、聴こえの不具合を我慢させられている人などが結構多かったので、買う側も最低限の予備知識は持っておくべきと 強く感じたからでした。

ちょっと余談ですが、私のご近所の方で、悪質な業者さんに出会ってしまった人(仮にAさんとします)がいます。
Aさんは、老人性の軽度難聴で、人の話が聞き取りにくくなったため補聴器を買うことにしたそうです。そのAさん、なんと両耳100万円の最上機種の補聴器を買っておられて驚きました。
Aさんは、一生モノのつもりで購入されたらしいのですが、5年後に補聴器屋さんから部品が消耗しているからそろそろ買い換え時ですと言われて不安になって、難聴の私のところに相談にみえました。
話を聞いているとちょっと信用できないと思ったので、私がお世話になっている補聴器屋さんを紹介しました。そこで見てもらったところ、まだ使えるとのことだったので、その後のケアはその補聴器屋さんにお願いしました。(もちろんAさんは次の補聴器はそこで購入しました)
そもそも、Aさんは 癖のない一般的な老人性難聴で、しかも軽度です。このレベルの人に最高機種の補聴器をすすめた補聴器屋さんはさすがに信用できないと思いましたし、しかも一生モノと思わせて購入させていますから質が悪いです。
勝手な憶測ですが、自分の経験上から思うに、Aさんの聴力なら私が初めて購入した片耳15万円程度のものでも充分だったかもしれません。私が最初に購入した時の聴力よりも、Aさんはよく聴こえているし、しかも周波数のバランスも私の何倍も良いので、敢えて最上機種を選ぶメリットが思い浮かびません。もし両耳30万円の補聴器にしていれば、その後2回買えたと思うと、とても勿体ない話です。
こういう無駄な買い物をしないためにも、補聴器屋さんに疑問をぶつけることができるだけの最低限の知識は持っておきたいものです。

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■補聴器の寿命

Aさんの失敗は、一生モノのつもりで補聴器を購入したことでした。
心理的に一生モノならば良いものを買っておこうとの気持ちは分かります。
私も2つ目の補聴器は片耳45万円の高機種を選んだのですが、これもよく似た心理でした。
私は進行性で、しかも調整が難しい難聴なので、1つ目の補聴器は壊れたのではなくて、これ以上の調整が難しいという限界が来たからでした。そういう事情の買い替えだったため、高機能の補聴器だったらこんなに早く買い替えしなくても済んだのではないかと思ってしまったのです。

もしも補聴器の寿命のことを知っていれば、たぶん違う選択をしていたと思います。
だけど寿命については 説明しにくいことでもあり、こちらから質問しない限り、補聴器屋さんの方から話が出ることは まずないでしょう。

私が寿命のことを知ったのは、インターネットで調べ物をしていた時でした。
あるメーカーの補聴器の説明に5年が目安と明記しているところがあったのが調べるきっかけでした。
ネットで調べたり、知人に聞いて回った結果、デジタル補聴器の寿命は5~10年位を覚悟しておいた方が良さそうだとの結論に至りました。
先のAさんも、毎日手入れして大事に使っておられましたが8年目で壊れてしまいました。
丁寧に使えば10年以上使えることは珍しくはなく、私の知り合いで10年以上使っている人もいますが、聴こえは劣化しているそうです。
逆にスポーツ等で激しく汗をかくなど耳の環境が悪いと5年持たないこともあるようです。話が脱線しますが、今は防水機能を備えた機種もあるので、汗かきの人は防水機能のある機種を検討された方がいいかもしれません。

また、補聴器は修理できる期間に限界があるので、いずれは修理もできなくなります。
新しいタイプが登場すると古いタイプの補聴器の製造が終了しますが、製造が終了してから5~6年を経過した頃から次々部品の製造も中止され、定められた期間を過ぎたら部品の在庫は処分されてしまうと聞きました。
部品の在庫がなくなれば修理は出来なくなるので、いずれにしても一生モノの補聴器は存在しないと思ってください。

自分の経験から思うのは、補聴器は壊れるものなので、最初から5年超えたら買い換えるつもりで選ぶのがベストかもしれないということです。
5年も経過すると、前回の購入時には最上位機種にしかついていなかった機能が、その下の機種にも付いているということは多いですし、前回より安い補聴器を買っても、5年前の機種よりパワーアップしていることも珍しくありません。
補聴器の進化は、緩やかな時期と大躍進の時期がありますが、難聴者にとってはスピーカーがちょっと良くなるだけでも聴こえの向上は非常に大きいので、たとえ補聴器に寿命が無かったとしても、 最上機種を長く使うより、中機種を定期的に買い換えた方が、聴こえは向上すると思います。
なので、個人的に思うのは、できるだけその時の自分に必要な機能に抑えて、無駄に高い買い物をしないようにするのがベストなのではないかということです。
もちろんお金に余裕があって高機種が欲しい方は、無理に抑える必要はないです。性能は高機種ほどアップすることは間違いないので。

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■主な補聴器メーカー

私が医師から補聴器の装着をすすめられた時、最初に戸惑ったのが、補聴器メーカーのことでした。補聴器が高額だろうことは覚悟していたのですが、高額なら尚更失敗したくはありません。
ところが今まで補聴器とは無縁で過ごしてきたので、補聴器のメーカー名さえ浮かびませんから、どうやって選べば良いのか全く見当がつきませんでした。
なので、医師が紹介してくれた補聴器屋さんに飛びつき、メーカー選びから機種選びまで完全に補聴器屋さん任せでした。

調べてみますと、日本の市場に出回っている補聴器メーカーはさほど多くないようで、世界シェア5位までに入るメーカーと、日本のメーカーのブランドを知っていれば、その他のブランド名を聞くことはほとんどありません。
ちなみに 日本は精密機械に強いイメージがありますが、残念ながら補聴器の世界シェアは欧米の企業が占めており、日本は上位に入っていません。

以下に有名なメーカーを紹介します。
記載の5つは世界シェア5位に入るメーカーです。
余談(感想)も書き込んでいますが、音の感じ方や好みは人それぞれなので余談は鵜呑みにしないでください。低音障害型や高音障害型など聴こえ方が違えば感じか方も違ってくると思うので、必ずご自分の耳で確かめて、自分が最適と思う物を選んでください

●ソノヴァグループ(フォナック/ユニトロン)

・本社はスイスにある。世界シェア1位の補聴器メーカー。
・子会社にフォナック社(スイス)とユニトロンヒアリング社(カナダ)の2つの補聴器メーカーがある。
・フォナックは、補聴援助システムの「ロジャー」なども有名。
(余談:私の感覚) 私が昨年購入したのはフォナックの新製品です。フォナックは他社製品と比べて音質が特に良いという印象はありませんが、小さな声は今まで使っていた補聴器よりもよく聴こえると感じます。音質では他メーカーの補聴器の方が私には自然な音だったのですが、最終的には音質より多様性を選んでフォナックに決めました。
私が購入した補聴器はBluetoothを使ってスマホの電話を補聴器で聴くことができるのですが、この機能のおかげで電話が出来なくなっていた私も、再び電話が出来るようになりました。
ちなみにこの機能は他メーカーの補聴器にもあります。但し、Apple対応が殆どでAndroidには対応していなかったので、Androidも使えるようになったのは嬉しかったです。
さらに今年、その補聴器専用の新製品のロジャーも買いましたが、会議や騒がしい環境での聴こえは向上しています。

●ウィリアム・デマント・ホールディンググループ(オーティコン/バーナフォン)

・本社は北欧のデンマークにある。
・子会社にオーティンコン社(デンマーク)とバーナフォン社(スイス)の2つの補聴器メーカーがある。
・2つのメーカーは音質や性能など力を入れているところは異なる。

●WS Audiology社(シグニア/ワイデックス)

・2019年3月にシバントス社とワイデックス社が合併してできた会社。
・日本ではシバントスとワイデックスは別会社。
・シバントス社は、元々はドイツの医療機器メーカーのシーメンス社の補聴器部門で、2015年に分社して社名がシバントスになった。
・ワイデックス社はデンマークのメーカー。
(余談:友人の感想) 私の友人(低音障害型の難聴)で昨年ワイデックスを買った人がいたので感想を訊いてみましたら、音は柔らかめで聞き取りやすいと言っていました。

●GNグループ(GNヒアリング/ベルトーン)

・GNヒアリングの本社はデンマーク。2017年にGNリサウンドからGNヒアリングに社名変更。
・業界初の技術を数々生み出してきたことで知られる会社。
・ベルトーン社の本社はアメリカ。2000年にGNグループに買収され合併。
(余談:私の経験談) 私が初めて購入した補聴器はGNリサウンドでした。当時の私は低音が正常域で聴こえていたため耳穴を完全に塞ぐと自分の声がこもって気持ち悪かったのですが、当時、低音を抜くことができるようになったからと すすめられたのがGNリサウンドでした。今は他のメーカーでも同じことが出来ますが、当時は斬新だったようです。
新しい発想で補聴器業界に革新をもたらすという話は、よく聞きます。

●スターキー社(スターキー)

・アメリカの補聴器メーカー。1967年設立で、著名な北欧メーカーに比べると比較的若い。
・レーガン元大統領が、在任中にスターキー社の補聴器を使っていたことで知られるようになった。
(余談:私の感覚) 私は高音障害型なので、高音が聴こえない人に合うケースが多いとすすめられ、昨年試聴させてもらいました。音質は私には合っていましたが、自分が希望する機能の組み合せがなく、今回の購入は見合わせました。昔スターキーを使っていた友人が、音の感じをシャキシャキ感があると表現していましたが、そんな感じの音質でした。

以上が世界シェア上位のメーカーです。
この中で、私が個人的によく耳にするブランドは、「フォナック」「オーティコン」「シグニア」「ワイデックス」「GNヒアリング」「スターキー」でしょうか。これらは取り扱っている補聴器店も比較的探しやすいと思います。

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■日本の補聴器メーカー

日本のメーカーは世界から見ると、やや力不足の感は否めません。
国産品を好むユーザーもいますが、私の友人には少ないです。
なので、機能の良し悪しは分かりませんが、日本も頑張って欲しいので、老舗的な補聴器メーカーを挙げておきます。

●リオン㈱ リオネット補聴器

・国内最大手。
・リオネット補聴器専門店が全国に多数ある。
・1944年設立。当時の名称は「㈱小林理研製作所」。
・日本で初めての量産型補聴器を発売したのが1948年。
・1960年に今の「リオン㈱」に社名変更。

●コルチトーン補聴器㈱

・1957年設立。(1947年設立の東邦理研㈱を改組し設立)
・1962年に国産初の耳かけ型補聴器を製作発売。

●パナソニック補聴器㈱

・1958年設立。当時の名称は「松下通信工業㈱」。
・1959年に補聴器第1号機(ポケット型補聴器)を発売。
・1990年にナショナルからパナソニックにブランド名を変更。
・1997年に今の「パナソニック補聴器㈱」に社名変更。

●マキチエ㈱

・1977年設立。当時の名称は「補聴器センターアサヤマ㈱」。
・1982年に「キコエ補聴器㈱」に社名変更。
・2011年に今の「マキチエ㈱」に社名変更。

この他に「オムロン」や「パイオニア」等もあります。

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■補聴器はどこで買うのか

先述の通り、補聴器は調整してもらわないと使えません。
一番苦労するのは、信頼できる補聴器さんをどうやって探すかです。
これは補聴器を長年使っている人も苦労しています。

補聴器屋さん選びでよく聞くのは、医師に紹介してもらうケースです。私も最初は医師の紹介でした。
病院によっては補聴器外来というのもあって、そこに出入りしている補聴器屋さんで購入するケースもあります。補聴器外来には全国展開のチェーン店が入っていることが多いです。
その他では、自宅の近所の補聴器屋さんで買っている人も多いです。
もしご自分で探されるのであれば「認定補聴器専門店」を選ぶと安心です。

参考にですが、私が補聴器屋さん選びで重視している点を挙げておきます。
① 購入前に、納得行くまで、補聴器の視聴をさせてくれる。
② 確かな知識と調整力がある。
③ 補聴器を調整してもらえる時間帯が自分の通える時間帯と合う。

1つ目の「補聴器の試聴」は最も重要です。大抵の補聴器屋さんは試聴させてくれますが、最低でも2週間は貸してくださる補聴器屋さんをおすすめします。
1週間しか貸し出さない補聴器屋さんもありますが、1週間では短すぎて自分に合っているかどうか判断するのは難しいです。
一番良いのは納得するまで試聴させてくれる所ですが、私の経験上の目安としては、調整して1~2週間試して、聴こえに不満があれば再調整してもらって更に1週間、計2~3週間は最低でも貸して欲しいと思います。
補聴器店の中には、貸せないという所も稀にあるらしいのですが、私ならば そういうお店では絶対に買いません。
補聴器は高額なので、必ず試聴させてくれるお店で購入してください

2つ目の「補聴器屋さんの調整力」についてですが、これは「認定補聴器技術者」の資格の有無も目安にはなりますが、実際の実力は調整してもらわないと分かりません
購入前の試聴段階でのやり取りや調整は、貴重な判断材料になります。
長くお付き合いすることになるので腕が良くても人間的に不愉快な人とは長く付き合えませんし、また、苦痛を訴えても「慣れてください」しか言わない人ならアウトです。慣れることは大事ですが、苦痛だと装着しなくなります。調整力のある人は、徐々に慣れるように考えてくれます。
とにもかくにも 買う前の段階で 不安を感じたならば、そこは止めておいた方がいいと思います。購入後のアフターケアで、その不安は不満に変わると思うので。

そして3つ目の「時間帯」ですが、補聴器の調整は緊急を要することもあります。
特に日中働いている人には、平日のみの営業だと通いにくいし、しかも閉店時間まで早いとなるとアフターフォローしてもらうのが難しいので、自分が通える時間帯に営業しているかどうかは要チェックです。

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■機能と価格

補聴器は片耳5万円前後~片耳50万円以まで値段の差が大きく、どのランクのモノを選べば良いのか悩みます。
各メーカーで使っている技術や音に対する考え方は異なるので、メーカー選びに悩みそうですが、意外にそこは悩みません。
補聴器屋さんによって取り扱っているメーカーは違うので、初心者は大抵の場合、足を運んだ補聴器屋さんのおすすめメーカーで考えることになるからです。
私は補聴器のブランドを全く知らなかったので不安でしたが、先ほど挙げた5大メーカーのブランドならば製品は確かだと思います。
それよりも私達ユーザーが悩むのは値段です。
同じメーカーの同じシリーズの中でも金額がピンキリだからです。
私が昨年購入した補聴器も、同シリーズの中で 片耳18万円~53万円まで開きがありました。
もちろん高額なほど機能が充実しているのは分かりますが、両耳で100万円の金額を出せる人は限られています。
金額はおさえたいけれど、聴こえは向上させたいというところで、補聴器ユーザーは悩みます。
自分にとって最低限必要なレベルが分かっていれば、すすめられる補聴器が適切なのか、贅沢なのか、何となくでも分かるのですが、補聴器の知識の無い初心者にはそこが分かりません。

私も分かっているわけではありませんが、自分にとってその機能は必要だとか、それは要らないということは言えるようになりました。
そして自分が少し贅沢をしている自覚もあります。

何となく自分の体験や、他の人たちの話を聞いていると、失敗しないコツの1つは 値段で見栄を張らないことのように思います。
補聴器の常識的な金額を知らないと、すすめられた補聴器を「高い」と拒絶しにくい心理が働きます。すると頑張れば手の届く人は「もう少し安いのにしてください」と言えずにそのまま購入してしまうことが多いようです。
初めて補聴器を買う人は、補聴器の知識がほとんど無い上に、今まで装着した経験が無いので、試聴しても他と比べて良いのか悪いのかは分かりません。
自分にとって不必要な機能も分かりません。
だから尚更、値段のことはもっと口にすべきだと思うのです。
買う側の理想としては、最初は最低限必要な機能を備えた補聴器(価格安め)を試して、そこから自分が真に求める機能を加えるように検討できるのが一番理想のように思います。

そのためには、補聴器屋さんにしっかり自分の要望を伝えて、親身に相談に乗ってもらえるように、私達ユーザーも最低限の基礎的な知識は持っておきたいものです。

次回は、私が最初に知っておきたかった補聴器の機能についてお話したいと思います。

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