難聴の程度による区分 (軽度・中等度・高度・重度とは)

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からだの豆知識

【からだの豆知識「難聴の程度による区分」】

難聴には「軽度」「中等度」「高度」「重度」の区分があります。
この難聴の程度については過去の記事でも説明しましたが、長いので短くまとめ直しました。
ちなみにこの中で障害の認定基準を満たしているのは「高度」と「重度」です。

難聴の程度は、聴力検査で 何dB(デシベル)の音が聴こえたかで区分します。
検査で測定するのは 125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hz、8000Hzの7つの周波数で、病院でもらえる検査結果の紙には3分法、4分法、6分法の3種類の数字が並んでいます。これはそれぞれの書式で出した聴力の平均値です。
一般に難聴者が「私は○○dBです」と話す時の数値は4分法の数値(障害等級で用いられる500~2000Hzの狭い範囲の平均値)であることが多いです。
4分法には500~4000Hzの単純平均と、1000Hzにウエイトを置いた書式の2種類があるのですが、日本で使われている4分法は後者です。
書式は (500 Hz + 1000 Hz x 2 + 2000 Hz) / 4 です。

詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事を見てください。
オージオグラムの見方と、身体障害者手帳の基準となる平均聴力の算出方法

音の聴こえをdBで書かれてもどれぐらいの大きさの音か想像できない方は、こちらの記事も参考にしてください。
デシベル(dB)は絶対値ではなく倍率
普通の会話の音量は60dB程度です。

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■聴覚の正常範囲

0dBとは、人間が聴くことのできる最も小さな音で、若くて健康な耳の人は 検査する7種類の音は全て0dBに近いです。
人よりも耳の良い人の中には0dB未満の音が聴こえる人もいます。

一般に正常範囲とされているのは25dB未満です。
人の呼吸音や時計の秒針の音が聴こえるならば正常レベルです。

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■軽度難聴

「軽度」は、25~40dB未満の聴力レベルです。
鉛筆の執筆音が30dB程度で、この音が聴こえるか聴こえないかのレベルの難聴なので、補聴器をしている人はほとんどいません。

但し、それは人によります。
難聴者の多くは周波数によって難聴度が異なり、聴こえる音と聴こえにくい音があります。
500~2000Hzの平均が主に用いられる理由は会話の音声がこの周波数を主に使っているからですが、4000Hz以上や250dB以下が著しく低下していると言葉が不鮮明になったり、警報音が聴こえなかったりなど、いろいろ弊害が出てきます。
なので、軽度でも補聴器が必要なケースはあるし、軽度だから苦労していないわけでもありません。

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■中等度難聴

「中等度」は、40~70dB未満の聴力レベルです。
「中等度」になると、補聴器を装着する人が一気に増えます

「デシベル(dB)は絶対値ではなく倍率」 の記事で説明しましたが、dBは倍率なので「中等度」の40dBと70dB弱の差はとても大きいです。
例えば、健康な耳の人(0dBを基準に計算)と同じ音量で聞こうと思った場合、40dBでは100倍ですが、60dBで1,000倍、69dBだと なんと 2,818倍の音が必要になります。

周波数による聴こえの差が激しかった私のケースを例に挙げると、中等度の時は低音はまだ正常域で聴こえていたこともあって、全体の音量に大きなダウンを感じていなかったのですが、50dBを超えると会話の声が届かない人が増えたので、50dB台で補聴器を装着しました。

ちなみに会話の音量レベルは、小さな声は40dB程度、普通の声は60dB程度、大きな声は70dB程度です。
聴力検査ではかすかにでも聴こえればボタンを押すので、50dBを超えると言葉の聞き取りに必要な音は間違いなく不足しています
そのため中等度になると補聴器を装着する人が一気に増えるのです。

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■高度難聴

「高度」は、70~90dB未満の聴力レベルです。
健康な耳の人との聴こえの差は3,100倍以上です。

聴覚障害の認定基準は両耳70dB以上なので、大声が聴こえなくなって初めて障害と認めてもらえることになります。
障害等級は、両耳70dB以上で6級、80dB以上で4級です。(聴覚障害に5級はありません)
ちなみに 音は聴こえていても 両耳の最良語音明瞭度が50%以下ならば4級該当です。

音量の目安としては、蝉の鳴き声が70dB程度、走行中の電車内やパチンコ店内で80dB程度と言われています。
私は現在 両耳80dB台ですが、補聴器を外すと かなり煩い地下鉄に乗っても静かです。

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■重度難聴

「重度」は、90dB以上の聴力レベルです。
90dBは 怒鳴り声や、騒々しい工場などの音量レベルです。

障害等級は、両耳90dB以上で3級、100dB以上で2級です。
ちなみに聴覚障害には1級は無く、完全失聴しても2級です。
たまに聴覚障害者で1級を持っている人がいますが、これは聴覚障害2級のほかに言語機能障害など別の障害も持っている人です。

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