発達障害の種類(名称)

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からだの豆知識

【からだの豆知識「発達障害の種類(名称)】

「発達障害」とは先天的(生まれつき)に脳の働き方が違うことにより、行動面や情緒面に特徴が出る障害のことである。
甘やかしなどの性格的な特性と間違われることもあり、他人から誤解されて辛い思いをすることも多い。
障害の程度や特性は人によって異なり、中には大人になってから生き辛さの正体が発達障害のためだったと分かる人もいる。

一括りに「発達障害」といわれても、見た目だけでは 機能的にどういう問題を抱えているのか分からないため、周りの人にも理解されにくい。
理解する側もある程度の知識を持っていなければ戸惑うばかりである。
そこで、せめて名称だけでも知っておくべきと思い、発達障害によく使われている診断名について簡単にまとめてみた。

発達障害には大きく分けて3つのタイプがある。
①ASD(自閉スペクトラム症 / 自閉スペクトラム障害)
②ADHD(注意欠如・多動症 / 注意欠如・多動性障害)
③LD(学習障害)

ASD(自閉スペクトラム症)は、従来は「広汎性発達障害(PDD)」のカテゴリーの中に自閉症やアスペルガー症候群などが細かく分類されていたが、今は知的障害の有無に関係なく「自閉スペクトラム症(ASD)」という大きな括りでまとめられている。
「広汎性発達障害」「自閉症」「アスペルガー症候群」「カナー症候群」「高機能自閉症」「低機能自閉症」などと呼ばれていた症状はこの中に入る。

ちなみに一括りにした理由は、それぞれの障害特性は人によってグラデーションや強弱があって明確に分けられるものではないこと。同じ人であっても年齢や状況によって特性が変化すること。こういったことから明確に障害名で分類するのではなく、境界線のない1つの障害として扱うようになったようである。

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■ASD(自閉スペクトラム症)の特徴

症状の主な傾向を簡単に箇条書きすると以下の通り。

*コミュニケーションや対人関係の困難。
言葉や視線、表情や身振りなどを用いた相互的なやり取りが苦手。
自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取るのが苦手。

*行動や興味に偏りがある。
特定のものに強い関心を持ったり、こだわりが強かったりする。

*感覚(痛み・音・光・におい等)に無関心、もしくは過度に反応。
人によって何に敏感で、何に鈍感かは異なる。
一部例を挙げると「怪我をしても痛がらない」「音に過剰に反応する」「蛍光灯の光を嫌がる」等。
過剰に反応してしまう場合は本人の苦痛が大きく、また感覚に無関心な場合は身体に対して無防備になるため、どちらも日常生活を快適に過ごすのが難しくなる。

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■ADHD(注意欠如・多動症)の特徴

注意欠如・多動症(ADHD)は、発達水準に比べて注意力が足りなかったり、衝動的で落ち着きがないという特性があり、これが日常生活に支障をきたすレベル。
主な特徴を簡単に箇条書きすると以下の通り。
*不注意が多い。集中力がない。
*じっとしていられない。(多動性)
*思いつくとすぐに行動してしまう(衝動性)

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■LD(学習障害)

学習障害(LD)とは、全般的な知的発達に問題がないのに、「読む」「書く」「計算する」など特定の学習のみに困難が生じる状態。
困難を感じる特徴によって以下のような名称がある。
*ディスレクシア(読字障害)
*ディスグラフィア(書字障害)
*ディスカリキュリア(算数障害)

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■その他 発達障害

○特異的言語障害(SLI)
言語発達を阻害する知的発達障害や視覚・聴覚といった感覚障害、発声発語器官の運動障害などがないにも関わらず、言語能力に著しい制約が見られる発達障害。

○発達性協調運動症/発達性協調運動障害(DCD)
麻痺などの運動障害がないのに、字を書いたり、ボールを蹴ったりなどの協調運動が困難。

○チック症(トゥレット症候群)
*まばたき、顔をしかめる、首振り、うなずき、口をゆがめる等(運動チック
*咳払い、舌打ち、鼻をすする等(音声チック
*拍手、体を後方にそらす、ジャンプ、四肢の屈伸等(複雑運動チック
*無意味な言語、反復言語、悪い言葉を繰り返す、おうむ返し等(複雑音声チック
このようなチック症状が一時的に現れることは子どもにはよくある。
しかし、運動チックと音声チックが長く続くとなると日常生活に支障をきたす。両者が1年以上続くものをトゥレット症候群と言う。

○吃音症
身体的な障害がないのに、ことばをスムーズに話すことができない症状。

以上
一般的に発達障害と言われているものを挙げてみた。
これらは単独で現れることもあれば、知的障害を伴っていたり、複数の障害の特徴を併せ持っている場合もあり、特性は人によって まちまちである。
したがって、発達障害は 障害を理解するというより、その人自身の症状を理解する必要がある。

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